自己紹介

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札幌市, 北海道, Japan
はじめまして。 北海道、札幌市で設計事務所をしています。 暮らしに最も近いものづくり「建築設計」 地域色豊かで環境的、使いやすくて長持。 そんな暮らしのデザインが大好きです。 社会の悩みを建築デザインのテーマにすると面白い! そんなことを考えながら今日もスケッチしています。建築(暮らし)のお話しあれやこれ... どうぞお楽しみ下さい。

2017年11月11日土曜日

発寒の家Ⅱ 基礎工事 防湿コン

雨の合間を縫って、床下の防湿コンクリートを打設した「発寒の家Ⅱ」。しかしその翌日から雨に見舞われました。今の時期の基礎工事ではけして珍しいことではありません。
 
上の写真は雨水が基礎の防湿コンクリートの表面に溜まったところ。秋も深まり水の上には落ち葉も見えます。11/20を目処に建て方を開始する予定なのでそれまでにはきれいに清掃して水をくみ出します。気温的にはまだ暖かくコンクリートにとって水分のある環境でゆっくり硬化できることはむしろよいのですが、水を汲み出した後の湿気には少々注意が必要です。 
基礎断熱の特徴が充分理解されていなかった頃は・・このまま工事を進め3月~4月に完成し引渡しを行うと、ほぼ必ず初夏から夏場にかけて床下がカビる。という現象に見舞われました。理由は簡単で1:床下も含めて換気経路として計画していない。(床下と床上をガラリでつなぐだけでは不十分)2:床下に熱源がない。以上2点が主な理由です。
 
コンクリートは乾いているように見えても年単位で湿気を放出しながら強度を少しづつ増す性質を持っています。また3月~4月という暖かくなり始めの時期に住み始めるので実質の暖房期間は1ヶ月あるかないかです。要は床下がまだ湿ったままなのに暖房もどんどん弱める(本当は床上の暖房はそうでも床下は強めたいくらい)、換気経路として床下を含めた計画もしていないので床下の換気量が常に不足してしまう。結果的に湿度発生源であるコンクリートを乾かすことが出来ずに、床下は低温+高湿(常時露点)の常態が続き・・・見る見るカビが発生するという具合です。
 
現在では床下を換気経路に含み、熱源を設けることが広く知られていますから、こうした事故は随分減りました。しかし換気も熱源も備えていながら、正しい運用方法を住い手に伝えることを怠ったばかりに同じ問題を繰り返すケースもなかなか、なくなりません。
 
意外に多いのは環境意識が高く、小さな熱源で暮らすことに憧れや使命感をもっている人。特に薪ストーブ1台で暮らしたい等という人に限って床下の熱源も計画換気のスイッチも早々と切ってしまいがち・・熱量の大きな薪ストーブは床上と床下の温度差をどんどん広げるので、床下が冷たく結露しているなんてぜんぜん気付かない。その内、台所で調理のたびに換気扇を入れるとプーンとかび臭い匂いが床から上がるようになってはじめて・・「あれれ?」なんて感じです。
 
パッシブ換気は自立性の高いシステムですから、意図的に塞ごうとしない限り換気自体を止める事は出来ません。特に換気量が最大となる冬場は乾燥した冷気を床下に引き入れ予熱機で温めます。言い換えるなら床下で除湿用の新鮮空気を生産しているのと同じことなのです。
 
薪ストーブやペレットストーブの持つエコ風味や見栄えのする環境性に浸りたい気持ちも分りますが床下の除湿と加温もどうぞお忘れなく。(笑)
 
今日はR.L Jonesなんていかが
 
 


2017年11月9日木曜日

フィンストラルのサッシ

最近少しづつ、国産の窓も進化してきたけど、ハイエンドのものは、まだEUには追いつけない。写真は2012年竣工の「発寒の家」(ハッサムノイエ)だけど、そこで使ったのがフィンストラル社のノバライン。性能よし、デザインよし、拡張性もよし。なので複数組み合わせて南面を全てガラスにするとか、北国の建物であっても寒さを恐れることなく超大開口を含む自由なデザインが可能になる。
 
見ての通りトリプルガラスの製品ですけど、明るいガラスのおかげで初夏と秋の中間期も寒くない。むしろ冬場であっても日射遮蔽を細かく制御して室内の明るさと温度を調整する住い方がピッタリくる窓だった。
 
総輸入元のオスモ&エーデル㈱より本社視察のブログがUPされていたのでリンクを貼っておきます。今度、私も行ってみたい。(笑)  http://osmo-edel.jp/column/2361/
 

枠とガラスは別体で納入。

多数の空気室で構成される断熱性に優れた枠廻り

「発寒の家」では構造躯体の外側に窓を貼り付けて連窓のカーテンウオールとして使いました。

国産との最も大きな違いは製作できる一枚ガラスの大きさ。

ガラスの総厚は40mm
 
簡単に大壁面のガラス化が可能。日射取得による暖房負荷の低減を目指して・・・なんてよく聞くけど、作り手にとって実際は、いかに遮蔽側の調整力をデザインできるかが必要になる。特に超断熱建物にとっては、本来暖房に頼ることなく自ら生み出す自然温度差Δtnが12~13℃はあるから、窓の役割はそれを住まい手にとって健康で快適域となる20~24℃くらいに昇温し微調整する補助ヒーターの役割りと考えるのが良い。
 
超断熱建物の設計にとって大切なことは連続的に安定して使えるメインとなる暖房熱源の選択と前述のように必要に応じて室温調整を担うサブ熱源の組み合わせの妙だと思う。作り手が充分、超断熱建物のポテンシャルを理解していないと、メインとなる暖房熱源を全て機械に頼ったりそれが過大になりすぎたりする傾向から中々抜け出せない。
 
そもそも超断熱建物にとって主たる暖房熱源は自分自身なのだから、問うべきは設備の種類もさることながらその大きさと繊細な調整力だ。もちろんそれらの熱源に化石エネルギー以外を用いる意識が今後のトレンドになって行くべきだと思うし、設計者の仕事も従来のメーカーによるシステムのチョイスからこうした調整力の工夫や今まで見過ごしていた未開拓のエネルギー利用に向うべきだろう。
 
今日はJAZZTRONICで行きましょう!
 
 
 
 







2017年11月3日金曜日

発寒の家Ⅱ 脱型工事

基礎の型枠を外した「発寒の家Ⅱ」です。埋め戻し前にぐるりと見て回ります。

基礎には埋め戻しのラインが明示されています。

スラブ下の型枠もすっかりばらして運び出され地面はきれいに釘が拾われていました。

こちらはスラブ下に出入りする管のケーシング(筒)

こんな感じですがよく見ると・・・

暖房屋さん電気屋さんが自分のケーシングを入れたことが分ります。

2017年11月1日水曜日

野幌の家 気密測定1回目

昨日は、「野幌の家」で第一回目の気密測定でした。意外にも最初は悪くC値が0.5。即座に全員が「これはおかしい!」となって家中を捜索。予想通りというか、原因は二階の大きな連窓サッシの連結部分。まだ仕上げのシーリング前ということもあり、気流感をはっきり感じるくらいに漏気していました。最終的には仕上げのシーリングを打って完成なので今のうちに原因が特定できてよかったです。
全員でテーピングを行っているところです。

すると、気密が出て、室内のビニールがパンパンに張りはじめました。
前の現場では問題がなかった片引きサッシですが、この固体だけなのか、戸袋側から漏気を感じました。こちらもガスケットを交換+調整して二回目の気密試験に備えます。

結果的に、原因は窓廻り、最終的に0.2に微妙に足りないくらいまで修正して第一回目の気密試験を終了しました。 

「野幌の家」の外壁は耐久性の高い道内産カラ松材。元々、木肌が赤くタンニンの強い性質なので、発色が力強く落ち着きがあります。
 
今日はSting・・レオンのPV付きで
 

2017年10月30日月曜日

西野まちなかの家 満員御礼

 
10/28、29の見学会にはたくさんの方々に来ていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。「北海道に合った間取りを今一度見直してみたい。」そんなことを考えながら始めた「西野まちなかの家」の計画でしたが、土間玄関と家庭事務室そしてLDKとの連続に新たな可能性を見出だした仕事となりました。
 
暖簾により柔らかく仕切る予定の土間玄関とLDK。ついにLDK-土間玄関-家庭事務室が一体的空間になり回遊動線で結びました。 
 

北側敷地なので建物が道路側に近付き、その道路の反対側が南面する敷地条件。方位も40°以上振れているので、大開口部は袖壁付きの大きな庇を掛け西日の侵入に配慮しました。また隣家の視線から居間を守るためにもこの袖壁は有効でした。居間の前の木製デッキの上には住い手の要望による伸縮式のオーニングを取り付け、デッキの上のアクティビティー(さまざまな活動)の質が上がることを意図しました。

すっかり定着した、火口は背中、流しが正面というレイアウトの対面キッチン。冷蔵庫スペースの隣に食品庫を取るのも非常に使いやすくてキッチンが片付くと好評です。

こちらは家庭事務室。住いは主婦にとっての仕事場でもありますから、こんな風にPCやプリンター&FAXが使える空間が最近は特に必用になります。学校や保育園から来る連絡や確認事項も手渡しのプリント等からPDFやホームページ上のダウンロードにどんどん変わりつつあります。回覧や既読の確認も従来の判子から確認メールの送付やソフトによる自動化に変わって行くことでしょう。既にスマホやタブレット端末なしでは日常のコミュニケーションにも不便を感じる今日この頃。住いにとってもこうした新たに生まれた必要性に対する答えが問われる時代となりました。

白樺の木肌が美しい階段。

二階の吹き抜けから見下ろしたLDKの様子です。


道路に近い玄関は連続する独立柱が穏やかな目隠しになります。
 
さて今日はこれからお引渡し・・
今日はAndrea Motis なんていかが

2017年10月27日金曜日

野幌の家 現在の様子

外部の付加断熱を終え、外装の唐松材を貼るばかりとなった「野幌の家」小屋根は薄く跳ね出す新ディテール。外装の唐松との相性の良い納まりを考えました。
 
現場にはブルーシートで養生された外装の唐松材が運び込まれています。
 
野幌の現場も方位が振れているために朝方の強烈な東の光を遮る袖壁がついた二階の開口部が特徴です。
 
室内は充填断熱が進み、防湿用のビニールが丁寧に貼られています。
 
開口部廻りはこのようにきれいに防湿シートを開口しこれからテーピングを行います。
 
梁廻りも丁寧に防湿シートをカットしてこれからテーピングを行います。
 
外部の横胴縁は空気と雨水が通るようにエアホール加工をしたものを用いています。
 
今日はバッハの管弦楽組曲第三番なんていかがでしょう。
 

2017年10月26日木曜日

発寒の家Ⅱ 型枠工事

きれいに型枠が付けられた「発寒の家Ⅱ」。コンクリート打設前にいつものようにしっかり見て回ります。 
スラブを貫通するケーシング(管)の位置は正しいか、必要な位置に必要な数の鉄筋が入っているか、鉄筋の間隔は型枠取り付け前と後で変わっていないか等々・・・

各工種別に管やケーシングが入れられています。 

基礎断熱は外張り断熱を得意とするアクト工房さんらしく、ウレタンボード100mmを使います。
型枠の中に差し込んだ厚手のビニールはコンクリートの側圧で断熱材との間にピッタリと圧着します。このビニールが外張り断熱の特徴である柱外側の防湿ラインと無理なく連続し、簡単にもの凄い気密が出ます。一般的な気密レールを用いた室内側の防湿ライン(充填断熱)とはそもそもの設計思想から異なる外張り断熱。充填断熱界の主流である新住協さんとは一線を画した、ソトダン21メンバーの定番的ディテールです。昔かしからよく比較される、充填VS外張り・・北海道における断熱の二大潮流を感じますね~(笑)。

アンカーボルトをまっすぐ通し、ぐらつかないように治具で固定し、コンクリートを流し込む際にトロがアンカーボルトのねじ山に付かないように、ボルトを1本1本テープで養生しています。

こちらは、大きな引抜力のかかるホールダウンアンカー。ねじ山も長いのでこちらはソケットを被せて養生しています。このソケットは配線等に使われるCD管ですがアイディアだと思います。

こちらは一般のアンカーですがボルトの頭をテープで覆って養生してあります。この基礎屋さんは自分の仕事をよく分っていて、用心深く丁寧です。こんな風にちょっとした仕事の端々に仕事の熟練を感じます。                                
こちらはコンクリートを打ち終わった後。最近は雨が多いので、用心して型枠の上を全てビニールで覆ってくれました。コンクリートが充分乾ききらない内に雨に叩かれると表面がクレーターのように穴だらけになってしまい・・・悪くすると打ち直しや補修が必要になってしまいます。今回は土台下の気密レールを用いない方法で気密を進めますから布基礎の天端の精度はとても重要なのです。

ブルーシートで覆われているのはスラブ(コンクリートの床)部分。こちらも大きなシートで厳重に養生が成されています。
 
秋が深まりますね~今日はJAZZなんていかが