2011年1月24日月曜日

北海道の今

住民基本台帳による平成22年12月末現在の北海道の人口は5,518,088人である。


総合政策部地域行政局統計課企画情報グループ

HP:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tuk

今日は統計のお話し。社会を捉える上で役に立つし、イメージで物事を片付けてしまいがちな悪い癖を矯正するのにも効果的。今、北海道でなにが起こっているのかをちゃんと知りたいなあ~と思いました。

北海道の人口は平成9年(1997年)をピークに減少に転じている。特徴的なことは平成9年以降社会増減(本人の意思又は自然増減以外の理由による増減)が自然増減(出生及び死亡による増減)を一気に逆転し、現在に至るまでその傾向が続いていることである。また平成15年以降はこれに加え、自然増減もマイナスに転じ、死亡が出生を上回る自然減と社会減がセットで北海道の人口減少の主要因となっている。年齢別転入超過数に注目すると平成12年の調べでは20~29才までの層が道外に著しく流失し次いで10~19才層、30~39才層の順になっている。

要は、最近約10年間で、北海道の人口は約20万人弱減少し今後もその傾向が続くと思われる。その中で特徴的なのは本人の意思により北海道を離れる人の増加が著しいことである。さらに平成15年以降は死亡する老人の数の方が生まれる子供の数を追い越し、高齢化が進行しながら全体人口規模が縮小する状況に突入している。中でも10歳から29歳、40歳から49歳といった今後社会の消費を牽引する世代と消費の中心世代が道外に多数流失している中で消費が低迷し物が売れない状況が慢性化している点である。


全国ブロック別による将来的な人口推計比較によれば北海道の人口減少はもっとも急激かつ大きく、同様に高齢化率はもっとも高い。反面、人口減少がもっとも少ないのは沖縄であり高齢化率も最も低い。
同じ地方の一員として、所得も低く公共投資に対する依存度も低くはない沖縄だが北海道との決定的な違いは、労働生産人口の内、消費に積極的な世代である20代から40代の人口が多いこと。当然ながら出生率も高く、人口減少及び高齢化共に穏やかになる。

人口の中で生産の中心となる生産年齢人口が減少しつつも、各地域は必死に頑張り一人当たりの実質総生産を押し上げている。



民間、公共ともに用地取得や設備投資に回す支出が減少傾向にある。実質的な総支出に占めるこれら固定資本形成の割合も他ブロックに比べて低く、攻より守りに入る傾向が見て取れる。全国ブロック別一人当たり投資(平成14年度)を見ると北海道の経済体質がよく分かる。すなわち公的投資(主に公共工事)依存であり民間による投資は全国ブロック中最も低くなっている。地域経済の帳尻を公共投資によりなんとか合わせている苦しい状況が垣間見える。

さてみなさんはこんな北海道をどう思うだろうか?
私らの若い時分は「若者なら東京に行け!地方にくすぶっていてもなんにもないぞ!」だった。しかしつい最近まで、いや今でも「これからは地方の時代!」ではなかったか?そんな意味でこうした統計はある意味ショッキングですらある。しかし自覚症状のない病人ほど治療に困るものはない。たとえば北海道の抱える問題もそうした事柄を乗り越える時期に来ているのではないだろうか?統計によれば、今後、住宅を必要とする若い世代は全国一早く消滅する地域が北海道であるし、消費に対して消極的な高齢層がこれまた全国一の速度で増えるのもそうである。この事実に慄いて道外に脱出を図れば前述の統計結果を自ら肯定する結果となり.....(笑)

そんな意味で統計に向き合う勇気が今必要なのではないでしょうか?
ちなみに読売新聞の調査によるセカンドライフの移住先人気ランキングの第一位は沖縄県、第二位は北海道である。