2012年11月30日金曜日

発寒の家 内覧会のご案内


ブログを通して現場の様子をお届けしてまいりました「発寒の家」の内覧会を行います。ぜひ当日はお誘い合わせの上ご来場いただければ幸いです。


週末もサービス残業という方のために、土曜日は夜21:00まで見学可能です。 

「チーム発寒」  プロジェクトマネージャー   山本亜耕

「発寒の家」とは?

当初は「西岡の家」と同じ北海道R住宅による性能向上リフォームからスタートし二年越しで完成を迎える「発寒の家」。その間に3.11を経験し、エネルギーに対する設計思想を大胆に改めた初めての30cm断熱の家です。具体的には北海道で一般的なLDKを二階に設け、南側を全てガラス貼りとし日射熱により暖房エネルギーの3割以上を賄うことを目指しました。機械換気とパッシブ換気を双方備え、必要に応じて切り替えが出来るよう、また行過ぎたオール電化への反省から複数の熱源に分散させています。夏季の日射遮蔽にも積極的に取り組み外付けブラインドやテラスと一体化した庇で部屋が暑くなりすぎぬようにしました。計画的には、好評の大きな玄関土間や室内から使える北海道スタイルの物置、二階の吹き抜けのある浴室やどこからも覗かれずに空を眺めてビールが飲めるインナーテラス等々、今回も盛りだくさんです。クライアントは子育てを終了した世代ですが、子供たちが家族と共に実家に泊まりに来た時に大活躍する上下階に分けた水廻りと寝室のレイアウト等は両世帯が適切な距離を保ちながら連泊も苦にならない工夫としました。普段はクライアント本人のライフスタイルを満足させ、子世帯、孫世帯も憧れる親の家。もちろんキッチンや製作家具に照明、インテリアも一生懸命つくりました。(笑)


■データー

①:Q値   0.7W/㎡/k
②:C値   0.1cm2/㎡(中間検査時)
③:必用暖房容量 1.3 kw(*:但し外気温-13℃、室温22℃の場合)
                  (1.3kwとは家全体の必用暖房熱量がドライヤー1本分程度) 
④:断熱        新型グラスウールによる外貼+充填壁:33cm、屋根:44cm相当
             (*グラスウール24kg/m3換算)

⑤:換気      回路1:第一種熱交換換気日本電興株式会社)
           回路2:パッシブ換気(デマンド型排気口/㈱マツナガ)
⑥:暖房      主暖房:ペレットストーブ、予備暖房:温水パネルヒータ
⑦:給湯      ガス潜熱回収式暖房+給湯ボイラー(エコジョーズ/LPG熱源)
⑧:断熱サッシ  フィンストラル社製/北イタリア:施工 ㈱エンヴェロップ
           (アルゴンガス入りLOW-E3層ガラス+樹脂スペーサー) U:0.78w/㎡k
⑨:日射遮蔽   バレーマ社製/ドイツ:施工㈱エンヴェロップ
⑩:断熱材     極細繊維(λ=0.035w/mk)新型グラスウール
                         パラマウント硝子工業㈱ 


*:建築主さまのご好意により会場をお借りしています。内覧会終了後はお引渡しが決まっておりますのでご見学の際には、ご配慮をいただければ幸いです。また会場は住宅街ですので車でご来場の際は、近隣の迷惑になりませぬようお願い申し上げます。

「チーム発寒」 紹介

■プロジェクトマネージメント(設計、監理)  山本亜耕建築設計事務所
■生   産(ゼネラルコンストラクター)   ㈱丸稲武田建設
■建築環境計画                 (有)タギ建築環境コンサルタント
■断熱材                      パラマウント硝子工業㈱
■遮熱ブラインド+断熱サッシ         ㈱エンヴェロップ
■0勾配無落雪屋根              ㈱プロテック
■ペレットストーブ及び道産ペレット     ㈱イワクラ
■オーダーキッチン              クリナップ㈱直需事業部
■製作家具                   ㈱匠工芸
■構造材                     イワクラプレカットシステム㈱

2012年11月27日火曜日

発寒の家 内装工事 その2

左官屋さんによる床のモルタル仕上げの様子です。船(フネ)と呼ばれる板に乗ってコテ一丁でみるみる床をピカピカに仕上げてゆきます。「発寒の家」のオーナーはご夫婦でジョギングが趣味。走る前のストレッチやアップにこの土間空間が活躍しそうです。もちろん自転車やスキー、スノボを置いたり、夏はコンクリートの熱容量の大きさを生かしてとても涼しい空間を家の中に作ることに役立ちます。

土足で使える大きな土間は、今ではすっかり珍しくなってしまいました。家族のリクリエーションやキャンプ道具の整理、日曜大工に、ペットとの同居...靴を脱がないで行う楽しみのために、最近ではクライアントさんに土間空間を提案することが多くなりました。ただ靴を脱ぐだけの玄関ではなくさりとてまったく屋外というわけでもない、「屋内の靴を履いて使う部屋。」北海道にこそ合うと思うのですが(笑)。歴史ある古い町にゆくと町屋づくりのようにその地域独特の間取りに出会いますよね~。北海道にもいつかそんな間取りが生まれるといいな~と思います。(笑)

土間に掛けられた透過性の高い階段。空間を圧迫しないように、また光や空気を十分に通し窓のない土間を明るくするためにこんな感じにデザインしてみました。蹴上はいつものように18cm。段板は赤い木目が美しいアルダー材です。
もちろん落ちないように手すりはつきますよ~。クライアントさまご安心を!(笑)

2012年11月24日土曜日

前田の家 内装工事 その2

最近では室内に凝らす意匠の水準がどんどん上がっているように感じます。まあ~お客さんにとっては悪くないお話ですよね~?(笑)写真はLDKとホールをどんな風に分節しようか?考えた結果。1/4R(円)で柔らかく袖壁を切り取ってホールとLDKの間に設けた小さな畳コーナーを落ち着けるよう少しだけ隠そうと考えました。まあ~私は絵を書いてお願いするほうなのでまだ気が落なのですが~(笑)...

しかし作るほうは、なかなかにたいへん。いつも頭が下がります。私のインテリアデザインの特徴は、「繰り返し」のパターンをよく用います。予断ですが、インテリアのデザインは各設計者それぞれに特徴があって...たとえば「均質性」を重視する人だと、床+壁+天井をみな白系で統一してみたり、テクスチュアー(素材感)を重視する人だと同じ白でもペンキのような均質さではなく凹凸感のある左官仕事のほうを好んでみたりと様々です。では「繰り返し」とはどのような意匠か?といえば、格子やタイル模様のように気持ちの良いと感じる間隔やリズムを見つけ出しそれを連続させることで空間をまとめるスタイルと言えるかもしれません。

写真はI棟梁が自ら吹き抜けの物干しの手摺に一本一本ルーターを掛けてバリを落としているところ。手すりはもの凄い数があるのでほんとうにたいへんです。

2009年「銭函の家」の吹き抜けの手摺です。

2010年「菊水の家」の縦格子です。





2012年11月20日火曜日

前田の家 内装工事

「前田の家」ではどんどん内装のボードが貼られて行きます。家の中から屋根型を眺め規則正しく並んだ垂木のリズムを感じる家です。実は屋根は二重構造になっていてこの外側に40cm分のグラスウールを外貼りしています。

壁との取り合いはこんな感じ。クロス屋さんに叱られそうですね~(笑)

「前田の家」の階段は半分だけ、さらし階段。写真の穴から段板が手前に突き出し稲妻型のささらで支持されます。といっても言葉では分かりづらいので乞うご期待です!(笑)

居間から見るとこんな感じ。針葉樹合板は美しく目透かし貼りされ、色の濃いステインを塗って空間に馴染ませようと思います。奥様の好きな茶系なんかきっとよく合うでしょうね~。

みなさん寒くなってきましたね~(笑)今日はあちこちで「粉雪」小田和正バージョンで。

発寒の家 内装工事

「発寒の家」は内装工事が本番です。写真は吹き抜けの化粧吸音板の天井。昨年の「春光BASE」で初めて使い、上品な意匠と性能が気に入っています。一般的に断熱+気密に優れる北海道の室内は音が響きすぎる傾向があります。特に天井の高い居間やLDKに置いたテレビやオーディオはこの響きすぎる残響で聞こえにくく感じたりすることもあるのです。そこで吸音版の登場。以前は音楽室の内装でおなじみの丸穴タイプを使っていましたが、なんだか学校のイメージが抜けないので最近はこのタイプを見つけたのです。

折上げ天井も完成しだんだんかたちが見えてきました。

写真は天井に貼っているところ。

ダミーの穴にビスで止めることで目立たずきれいに仕上がります。

今日は「くるり」なんていかが?

2012年11月17日土曜日

計画する

 クライアントさんから託される敷地はどれもみな個性的です。当然ながらひとつとして同じものはなく、間取りや外観は建て主の好みをはじめ周囲の景観やら家族の属性やら予算やらお父さん、お母さんの理由ナシのこだわりや、「無意識の意識」によって決まってゆきます。最近ではよくコストパフォーマンスを褒めていただけるようになりましたが、実は「無意識の意識」こそ計画案をクライアントさんとやり取りする上で欠かせません。

 この「無意識の意識」を簡単に説明すると「気付き」にほぼ近いと言えるでしょう。クライアントさんの多くは住い手としてはプロであっても間取りのプロではありません。図面として間取りを見ただけで「実は視線が北西側に抜けるから景色を楽しみながら、狭く感じませんよね~この部屋!」な~んてずばり設計の意図を指摘できるクライアントさんはほとんどいません。当たり前か!(笑)

 たとえば私がこのお部屋6畳くらいでよいでしょうか?とお聞きしても6畳がその部屋にとってちょうどよいのかどうか判然としない。吹き抜けにしましょうか?とお聞きしても吹き抜けにしたら部屋が寒くならないか?なにか他に想定外の事柄が生じないか?が気になって決められない。というのが現実ではないでしょうか?けしてクライアントさんを悪く言うつもりはなく、実は自由に設計できることは嬉しい反面、図面から実物をイメージして、納得して意思決定が出来るまでにはみなさん かなり時間が必要です。



そんなときに特効薬があればよいのですが、なかなかそうも行きません。そこで工事中の現場やら完成後の現場にクライアントさんを連れ出す機会が増えるのもこの時期なのです。図面で見たイメージが空間として出来上がったときにどんな風に感じるものなのか?図面と実物の体験を積み重ねることで、読めなかった図面が不安なくイメージできるようになります。さまざまな空間を引き続き体験することで、不安が理由で食わず嫌いだった空間や間取りの偏見が晴れて行くのも大きな自信につながります。こんなふうに考えると、完成した家を眺めるよりも、工事途中の現場を時間の流れと共に見学しながら空間として出来上がる体験を共有することのほうが実は得るものも大きいのです。近年では、インターネットから得た誤った空間イメージや思い込みもこうした実体験を通して、自ら気付く機会が増えています。やはりリアルは強し!なんですね~(笑)

JIA.テスクチャレンジ設計コンペ 始まる!

今年も、北海道で建築に携わる人を対象に「第四回JIA.テスクチャレンジ設計コンペ」の応募登録が開始されました。ブログを読んでいただいている若い設計者のみなさん!ぜひ参加して日頃から鍛えた問題解決力を競い合いましょう!(笑)

 不景気が続く中、1等は旬なヨーロッパの視察旅行、2等だって経済成長著しい旬なアジアの視察旅行なんですから悪くありません。審査委員も各界からバランスよく参加をいただき、7名中3人が女性。内訳も大学講師、研究者、建築家、企業家、ジャーナリストと社会性の高いテーマ(課題)を審査するのに相応しいメンバーとなっております。

後援に目を移すとこれがまた豪華。国(国交省/開発局)、北海道、札幌市、北方建築総合研究所をはじめ、道内ほとんどの建築関連団体、北海道新聞、TVH(北海道テレビ)等のマスメディアまでコンペの趣旨に賛同していただいております。

コンペ(設計競技)のテーマ(課題)も今の時流を踏まえ市民が共感できるものを選び、大通りの地下歩行空間で行われる公開審査では勝ち上がった参加者同士の熱気溢れるプレゼンテーションバトルが今から楽しみです。観念的で難しそう?という「建築」≒「建築家」のイメージを自ら払拭し市民が見て楽しめるストリートの文化イベントとして今後も大きく育ってほしいと思います。
昨年の様子 http://ako-re.blogspot.jp/2011/09/blog-post.html

昨年は3.11の経験を踏まえて「寒冷地の仮設住宅」をテーマとしましたが、今年のテーマは「共有すること」詳しくはぜひコンペ専用HPまで!どしどし応募登録ヨロシクデス!!

コンペ専用HP http://www.facebook.com/Jiatesukucompe

西野の家Ⅱ 基礎工事 その3

基礎の型枠が取れた「西野の家Ⅱ」。本日は埋設配管、散水栓、水道メーター等の確認に来ました。 


水廻りの集中する北側の一角。水廻りの床下を使って外気を余熱し各部屋に配る方法はすっかりおなじみになりました。(笑)脱衣所の床が暖かいのは気持ちがよくてなかなか好評です。

散水栓を確認し

次はメーター位置を確認します。

難しい基礎断熱の内外の取り合いや、二階の排水を受ける管の位置を確認します。

今年着工している3軒の家は全てインフラを地中埋設としているのが特徴です。通常上下水道や都市ガス以外、主に電気と通信用の線は壁に穴を開けて室内に引き込みますよね~?しかし今後、建物をより長く使うことを考えると壁を傷めて電線を増やしたり入れ替えたりすることは時に危険も伴います。今まで壁入りの現場でも内部に空配管を入れて線の入れ替えに問題が生じないようには考えてありますが、今後特に通信分野の線がさらに高速で大容量のものに進化することを考えると地下から線を入れる方が補修や増設を考えてもより簡単といえるでしょう。

前田の家 内外装工事 その3

「前田の家」では、内装工事の真っ最中。私も毎日のように現場に出入りし各部を見回しながら一日が過ぎてゆきます。写真は床下換気口の枠。

こちらは、戸を設けない出入り口の枠回りの詳細です。他の枠よりもより面が大きく、軟らかく取られていることがお分かりでしょうか?愛犬との同居に小さな子供さんが走り回ること、洗濯コーナーと居間の間を当分はお母さんは忙しく行き来せねばならないこと等々を考えて、体に優しいデイティール(部分)を考えてみました。

床との取り合いで見るとより分かりやすいと思います。

壁に貼られたシナベニアはグレーの黒板塗装を行う予定です。家族間の連絡や子供たちが心おきなく壁一杯に落書きできるように大きく設えました。

棟梁と打ち合わせを行うI所長。
外装も美しく貼り上げられ、建物が完成に近づいてきました。

発寒の家 内外装工事

南を向く大開口が特徴の「発寒の家」の姿が現れてきました。周囲の街並みの中にどんな存在感を放つのかだんだん楽しみになってきました。

室内ではフローリングを貼り始めました。

床の材料は「前田の家」と同じアルダー材ですが、発寒の家は窓枠や見切りも同じ材で統一し、よりシンプルな印象を狙います。

キッチン流しの下、見えなくなる部分も丁寧な仕事が続きます。

断熱境界の外に出る配管や配線は写真のように特に厳重に気密化されます。

天井に吊り込まれた第一種熱交換換気器の本体。「発寒の家」の特徴は省エネ住宅に対するヨーロッパ的思想と北海道的思想の双方を有していることです。要は機械による熱交換換気と内外温度差による自然換気(パッシブ換気)。もっともっと簡単に言うなら、機械による制御か?自然の法則を建築化する知恵か?そんな感じです。クライアントさんが住みこなしてゆく中で自分達に合う方を選択できるように、また体感としての省エネを雰囲気だけでなく身近にみえる化出来る家とするためにあたためてきたアイディアです。

機械換気もパッシブ換気も建物の基礎体力に当たる部分はしっかりとしたものでなくてはなりません。このブログでお伝えしているように、最近では現場全体にこうした意識が徹底し、一時期は断熱気密化に不利と言われた在来軸組み構法もツーバイ構法もほとんどその差はなくなりました。

2012年11月12日月曜日

前田の家 内外装工事 その2

壁に貼られた松板。まだ押し縁は付いていません。完成すると、板と板の間の隙間は見えなくなります。さて今日は外壁と窓の見せ方です。壁に30cmもの断熱をすると当然ながら壁の総厚も大きくなります。ちなみに断熱も含んだ壁全部の厚さが「前田の家」では約36cmになります。窓を壁に取り付ける場合、従来なら窓を壁よりも2cm程度突き出して取り付けるのが一般的でしたが、最近は写真のように、壁の厚みの中にサッシを引っ込めて取り付けることが多くなりました
(詳しい理由に興味のある方は過去のブログも参照していただくとありがたいのですが http://ako-re.blogspot.jp/2011/04/20110304_09.html
外観から見ると陰影の深いスッキリとした窓廻りの印象になります。

完全に壁厚の中に納まった木製サッシ。

窓の上部の黒いラインは通気部材です。

サッシの下部は水切が設けられ、雨水が外壁を伝わないように工夫されています。

貼り方は大工の腕の見せ所。

壁の板の縦張りは垂直性が命。一枚おきに垂直な定規(目安)となるようにレーザーで垂直を出した板を割付け、その間に板をはめ込むように貼ってゆきます。二枚に一枚は垂直を計った板が来るので、貼り進むにつれて縦張りのはずが傾いてゆくといったことがおきません。小さな工夫といえばそれまでですが、足場を取った後に通りから見られることではじめて客観的に仕事の正確さが問われることを知っているからこそ、こうした配慮が浮かぶのです。

雨を避けるために養生した加工場で板を調整しながら貼ってゆきます。

こちらは、新居に取り付けるTVの大きさを仮に示したもの。周囲にはAV機器の棚板やスピーカー等が取り付けられ配線は極力隠蔽としスッキリ見せる予定です。

窓の枠は、タモの集成材ですが厚みを20mmに落とし、木口を太鼓面に取ることにしました。枠回りは直接手や体に触れるところですからいつも優しさを感じるように考えます。しかし必要以上に大きくはしません。さりげなく必要最低限の納まりで全体的に主張しすぎない頃合を考えます。

縦枠と上枠の取り合い等々もしっかりチェックしてゆきます。話は変わりますが、床材のアルダーが赤く血色が良い印象なのに対して枠、巾木に用いるタモ材は少し青みがかった印象なので、シンプルにWAXで拭くか?白を少々着色し壁の白味に馴染ましてしまうか?検討中です。

今日はレミオロメンなんていかが?http://www.youtube.com/watch?v=NaNFzYrnDSE

2012年11月8日木曜日

西野の家Ⅱ 基礎工事その2

連日の雨で、基礎工事には厳しい環境が続いています。しかしそこは工夫に継ぐ工夫!せっかく施工したコンクリートが雨で痛まないように打設した後に素早くビニールによる雨避け養生を行った「西野の家Ⅱ」の現場です。

風で飛ばぬように全て型枠にタッカーで固定し昨日の大雨を乗り切りました。ブログをお読みの方はもうお分かりと存じますが、建物の品質は、こうした地道な気遣いから生まれます。基礎屋さんや現場監督さんの機転に感謝したいと思います。特に北海道の晩秋の現場は天候を読みながら一歩先んじる意識がとても大切なのです。
昨年も悪天候の中様々な工夫がありましたよね~(笑)


発寒の家 板金工事

「発寒の家」の屋根はシート防水ですが、今日は板金屋さんが現場に入っています。その理由はスノコの下の腐れ止めや窓の下の水切等々のディティール(細部)をより完璧にするためです。

こうして梁の上に板金を貼って雨水が梁の頭を腐らせぬように工夫します。

写真は窓下の水切り。ここは厚物の0.8mmでシャープに折り曲げスッキリ仕上げます。「発寒の家」はシンプルな形状でモダンな印象を狙いますからこうした部分は強度に余裕を持たせながら必要最低限の厚さのイメージで仕上げてゆきます。

今日はヘンデルのサラバンドなんていかが?もともとはハープシコードの練習曲として書かれたそうですが、私のイメージではヘンデルというよりS.キューブリック監督の映画バリーリンドンのテーマ曲のイメージが強いです。貧民出身のバリーが当時の貴族社会の中で成り上がる様子を描き、照明から衣装まで全て18世紀当時のものを再現し撮影されたそうですが、重厚な調べに相応しい映像を得て名曲にさらに磨きがかかったように思います。ヘンデルも天国でうなずいているかも知れません。前書きが長くなりましたが映像付きでどうぞ!