2012年1月20日金曜日

宮ノ丘の家 内装工事02

カーポート部分を資材置き場と加工場にしながら内装工事を進める「宮ノ丘の家」。完成に向けて全員、気合が入ります。この時期になると電気屋さん左官屋さん大工さん塗装屋さん...等々、現場の人の出入りが激しくなります。上手に交通整理をして各人がぶつからないように気を配ります。
I所長の腕の見せ所。各工種を段取りよく指揮して現場を進めます。

 外壁から約2m跳ね出したテラスは、美しい手稲連峰の四季を楽しむためのもの。一見下にまったく支えがなくてアクロバティックに見えますが、そこはしっかり構造計算してあります。1m程度の奥行きだと計算は楽ですが、並んで山を眺める事にしか使えないテラスになってしまいます。しかし奥行きが2m程度あれば、友人と夏場のバーベキューや昼寝に読書、洗濯物干しに食材の乾燥、お魚の一夜干しなんかにも使えるようになります。

 こんなことを言うと誤解されるかも知れませんが、建物の良さというのは、断熱性と気密性だけで語れるものではありません。暮らしていて、癒されること。家の設え(しつらえ)のひとつひとつに愛情が感じられること。用意されている空間に内と外以外の半屋外を持っていること。特に最近ではこの半屋外の空間をいかに豊かに設計できるかにとても多くの時間を使っています。ブログを読んでくれる皆さんに伝えたいことは、どんなに性能がよくても内と外しかない家は味気がないということです。「西野の家」で試みたドックランや「春光の家」の中庭、冒頭のテラスのような、屋外なのに屋根や壁で囲われた空間は建築を面白くすると共に新たな「使い道」を生み出し、住まう人のアクティビティー(活動)を引き出します。たとえば「宮ノ丘の家」のような空中テラスが流行ってあちこちの家に当然のように設えられるようになったと想像してみてください。週末の友人や家族との焼肉が楽しみになりませんか?お互いにお呼ばれするのも悪くないですよね~(笑)、実際に北海道では短い夏場に敷地の中で、よく焼肉を楽しみますが、そのための場所ってあるでしょうか?気の毒なのは毎週家族が楽しみにしているのに、道路に面したガレージのシャッターを半下ろしにして煙で窒息しそうな室内でお肉を焼いている光景です。せっかく敷地が広く、夏場に皆で焼肉を楽しむ文化を持っているのだから、そのための場所を建築化したいと思うのです。建築家は眺めて美しい、絵になる空間を作りたがりますが、私はどちらかというと楽しく使える空間が好きです。その部屋で楽しく過す光景が想像できればできるほど豊かな気分に浸れるからです。

 北海道に憧れて、移住したクライアントのために室内は極力、北海道の材料を使おうと思いました。写真は穏やかな木目が美しい白樺のフローリング。生産者の㈱物林さんの里山シリーズは私もファンでよく使います。コストデザインを徹底して極力、地元のものを使いたいと思います。

今日はイランの曲なんていかが?