2013年11月11日月曜日

チーム西野里山 懇親会

先週末は、「チーム西野里山」の懇親会でした。
この集まり、当初は珍しかった30cm断熱のプロジェクト(今でもそれはあんまり変わりませんけど/笑)を協力各社さんに周知することを目的に始まりましたが、回を重ねるごとに建て主さんと現場を結ぶ出会いの場に性格を変えてきています。最近では、地鎮祭や上棟式さえ行わないケースが多く、建て主さんにとってわが家を作る人たちの顔が見えない現実がむしろ当たり前になりつつあります。数千万円にも及ぶ投資をしながらたくさんの作り手たちを知る機会は失われ、自分が地域にどれだけの貢献をしたのか知る術もない。あらためて考えると出会いを失うことは、私たちが普段感じるよりもはるかに残念なことなのかもしれません。私の専門からは離れますが、「建築」というものづくりは地域の「総合成果物」と呼んでもよいと思います。小さな家一軒建てるためにも15以上にも上る専門職の他に神社、お寺、教会、生産者、コンサルタント、問屋、建材店、流通事業者、運送業者、司法書士、土地家屋調査士、土地建物取引主任者、Fプランナー、建築士、銀行、生保会社.....お酒屋さん、お花屋さんに至るまで必用で、なによりそうした人たちが地域に根付いて暮らしてゆけることが欠かせません。要は地域の「ものづくり力」がインフラとして健全に保たれていることではじめて地域の家づくりが意味を持つのです。また建築はリアルそのものですから、ネットでできることは意外に限られてきます。ネットを悪く言うつもりはありませんが、システムの組み方次第では、地元で家を建てたのに、建て主の貴重な投資がほとんど地域に還元されないことも近年では珍しくありません。最新の調査によれば、日本のサラリーマンの平均年収は409万円で、最も高かった時期に比べて約60万円も減っているそうですが、そんな中で地域に落ちるべき貴重な資本がどんどん地域外に流失し、極端な例では国外に登記した本社の預金残高が増える(日本で儲けても税さえ払わない。)ことに知らずに協力しながら、もう片方で地域の疲弊を嘆くという構図にもっと目を向けるべきだと思います。そんな意味でもなるべくチームの多くが、建て主さんにお会いして一言感謝を伝える機会は大切だと感じています。最近ではこうした人的コーディネートのことを「コミュニティーデザイン」と呼ぶのだそうですが、私も地域に生きる作り手の一人としてこうした事柄に引き続き取り組んで行きたいと思います。


今日はM.ブランチなんていかが?
http://www.youtube.com/watch?v=NERmgwWfnoI