2015年3月1日日曜日

暮らしの実験



最近、たくさんの建築関係の方々が北海道視察に来ていただいて嬉しく思います。
もっともっとたくさんのみなさんに北海道の環境技術の歴史を知っていただきたいです。写真は現在の荒谷邸。竣工から36年経った今も暮らしの実験は続いています。

■(旧)荒谷邸 (現在はお弟子さんのタギ邸)
 当時の北海道大学工学部教授(後に名誉教授)、荒谷博士の3軒目となる自邸で実験住宅。第二次オイルショックの始まった1979年に完成。超断熱構造をベースに、低温水輻射暖房、自作Low-Eトリプルサッシ、ナイトパージ、パッシブ換気(自然計画換気)、日射熱利用(制御)、自作熱交換換気、蓄熱(冷)利用、断熱住宅の夏対応、温湿度計測、燃費実測等々・・現在につながる数々の実験を行う。

 竣工:1979年 ■構造:ブロック造外断熱(小屋組:木造) ■面積:100坪
■断熱:壁GW250mm+屋根GW400mm  ■換気:パッシブ換気
■開口部:竣工時/Low-Eフィルムを自ら市販のフロートガラスに貼り込み自作した開放型空気層のトリプルガラス木製サッシ、障子部はWスキン構造。現在はLow-E膜が紫外線劣化したため透明ガラスに交換。
■暖房:温水輻射式(各室に極小パネルヒーター/PS製)1979年当時から出力5kwのボイラーで100坪を全館暖房していた。当時、北海道の一般家庭の年間暖房用灯油消費量が35坪の家で2500~3000L/6ヶ月と言われていた時代に旧荒谷邸は100坪で800L以下だった。今期冬シーズンより輻射式暖房を止め1階機械室に設置した薪ストーブのみで全館暖房の実験が続いている。

荒谷博士自作のトリプルガラスの木製サッシ

なんと100坪をこの小さな灯油ボイラーで全館暖房していました。

室内の窓はもの凄く大きなガラスが使われていて明るい。

大きな窓と明るい室内。

観葉植物植物も凄く元気。一番長寿なものは竣工時にお祝いでもらったもの。

周囲の緑に馴染んだ現在の様子。