2016年12月29日木曜日

2016年 御礼


2016年は前年からの着工分を含めて合計5軒の300mm断熱の住宅が完成した年になりました。2009年の「銭函の家」を皮切りにスタートした300mm断熱プロジェクトでしたががふと気付けば最新の「円山西町の家」で22棟目となります。平たく言えば、普通の家の3軒分の断熱材を使う300mm断熱プロジェクトは当初は「絶対に続かないよ!」なんて言われたものでした。



がしかし、人気が人気を呼んで口コミで広がり、最近では必ずクライアントさんにリクエストされるようになりました。家中に有害な寒さが無いこと、結果的に家を細かく間仕切る必要がなくなって広々とした空間が簡単に手に入ること、もの凄く静かなこと、簡単に一般的なオール電化住宅の半分の光熱費にできること・・・先輩たちが切り開いてくれた北海道の環境技術を使ってもの凄く簡単に質の高い住いが作れるようになりました。もちろんそういった地域の資産に投資し、私たちに家づくりのチャンスをいただいた全道のクライアントさんにもこの場をお借りして、心より御礼申し上げます。

全国に加え北欧や中東からもたくさんのみなさんが現場視察に来てくれた一年でした。温暖地の工務店さんや設計者さんが真剣に現場を眺め、次々に質問をしてくれることに驚き、自らの能力の無さにがっかりした年でもありました。来年はもっと精進したいと思います。(笑)

東北や四国、九州にまで講演でお招きいただいた年でした。北海道以上の素晴らしい実績に心から驚くとともに、全国にたくさんの仲間が増えたことは一生の宝物だと思います。

パッシブ換気がついに海を渡り青森の工務店さんが自らの現場で取り組みを始めた年になりました。高い外皮性能は断熱建物にとって欠かせない、計画換気と計画暖房を自立的に獲得するヒントになるという事実が少しでも全国に広がれば嬉しいと思います。

温暖地の建築家のお手伝いをさせていただく機会を得た年でした。普段は出会うことの少ない温暖地と寒冷地の建築家の協働はたいへん刺激的なものになるでしょう。

北海道の環境建築の歴史を少しだけ全国発信できた年になりました。1979年竣工の荒谷邸。がちがちの性能論ではなく情緒的な文化論でもない荒谷先生の魅力を東京の編集者さんに見つけていただきました。全国で環境建築を目指す若い人たちに響くといいなあ~と思います。

今年一年、お世話になった皆さんに心から御礼申し上げまして今年一年の結びとさせていただきます。みなさん、ありがとうございます。 よいお年を!(笑)

来年は1月6日より仕事始めとさせていただきます。

やっぱり第九でしょうか(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=EfViz-62ux8