2017年8月19日土曜日

西岡の家 設備改修工事

北海道が進める優良な性能向上リフォームのブランド「R住宅」として1970年代の建物を断熱的、構造的に徹底してリフォームした「西岡の家」もあっという間に8年の歳月が経ちました。その間に庭の緑は増え、近所でも評判の住いになりました。
 
しかし竣工後2年目にして起こった東日本大震災はオール電化王国と呼ばれた北海道の景色を一変させました。度重なる値上げや深夜電力の新規契約におけるメリットの消失はオール電化という考え方自体を揺るがせ、過去に何度も経験したように現在は急速に電化離れが進んでいます。かつて石炭から石油へ、そしてガスから電気へと移り変わってきた北海道の住まいのエネルギー。ようやくエネルギーの種類に振り回される時代を卒業し、最近は若い世代を中心に「断熱」に積極的に投資する視点が広がっています。
 
「北海道R住宅」とは http://hokkaido-r.jp/ 
 
2009年竣工の「西岡の家」も当時は一般的だったオール電化として設計され、給湯は電気温水器、暖房は蓄熱式暖房機と電気式オイルヒーターの併用というシステムです。震災以前は平均的な光熱費でしたが、その後の値上げにより今では当初の3割弱の上昇。さすがにこれでは家計の維持は難しく今回の暖房+給湯熱源交換と相成りました。
過去ログ「西岡の家」 http://ako-re.blogspot.jp/2009/08/blog-post.html
 
断熱性能自体が1999年基準(Q値1.6)程度の「西岡の家」では300mm断熱でよく用いているLPG熱源では割高になります。そこで最も価格的にこなれた灯油熱源で給湯と暖房を行うことにしました。なんだか灯油?なんて聞くと時代に逆行するような気もしますが、現在における石油機器の進化はめざましく、断熱のポテンシャルが高ければ充分に光熱費をコストダウンできます。そこで、南側に吹き抜けのある西岡の家では小さな輻射型FF式ストーブをLDKに設置し主にストーブ1台で全館を暖房しようと考えました。
 
給湯はコンベンショナルな壁掛け式の給湯専用ボイラーに変更してしまいます。
 
轢きたての外壁はたっぷり塗料を含んで8年経っても多少色抜けしたくらい。しかしさすがに木製サッシはそろそろ限界。当時の塗料はアメリカ製のオリンピックステイン。しかし今では同じ色の入手が困難に。そこで塗り重ねても影響が少ない塗料を工夫して再塗装します。
 
拡大するとかなり色見が褪せているのがわかる。
 
こちらは下屋部分のオーバーフロー。2009年当時の0勾配シート防水にはまだなかった対策パーツが出来たのでほとんど壁を伝わないように改良する予定。
 
正面の公園から見た「西岡の家」。建物とは別に庭木の剪定も計画中。
 
今日はシシド.カフカ・・かっこいい!