2017年11月9日木曜日

フィンストラルのサッシ

最近少しづつ、国産の窓も進化してきたけど、ハイエンドのものは、まだEUには追いつけない。写真は2012年竣工の「発寒の家」(ハッサムノイエ)だけど、そこで使ったのがフィンストラル社のノバライン。性能よし、デザインよし、拡張性もよし。なので複数組み合わせて南面を全てガラスにするとか、北国の建物であっても寒さを恐れることなく超大開口を含む自由なデザインが可能になる。
 
見ての通りトリプルガラスの製品ですけど、明るいガラスのおかげで初夏と秋の中間期も寒くない。むしろ冬場であっても日射遮蔽を細かく制御して室内の明るさと温度を調整する住い方がピッタリくる窓だった。
 
総輸入元のオスモ&エーデル㈱より本社視察のブログがUPされていたのでリンクを貼っておきます。今度、私も行ってみたい。(笑)  http://osmo-edel.jp/column/2361/
 

枠とガラスは別体で納入。

多数の空気室で構成される断熱性に優れた枠廻り

「発寒の家」では構造躯体の外側に窓を貼り付けて連窓のカーテンウオールとして使いました。

国産との最も大きな違いは製作できる一枚ガラスの大きさ。

ガラスの総厚は40mm
 
簡単に大壁面のガラス化が可能。日射取得による暖房負荷の低減を目指して・・・なんてよく聞くけど、作り手にとって実際は、いかに遮蔽側の調整力をデザインできるかが必要になる。特に超断熱建物にとっては、本来暖房に頼ることなく自ら生み出す自然温度差Δtnが12~13℃はあるから、窓の役割はそれを住まい手にとって健康で快適域となる20~24℃くらいに昇温し微調整する補助ヒーターの役割りと考えるのが良い。
 
超断熱建物の設計にとって大切なことは連続的に安定して使えるメインとなる暖房熱源の選択と前述のように必要に応じて室温調整を担うサブ熱源の組み合わせの妙だと思う。作り手が充分、超断熱建物のポテンシャルを理解していないと、メインとなる暖房熱源を全て機械に頼ったりそれが過大になりすぎたりする傾向から中々抜け出せない。
 
そもそも超断熱建物にとって主たる暖房熱源は自分自身なのだから、問うべきは設備の種類もさることながらその大きさと繊細な調整力だ。もちろんそれらの熱源に化石エネルギー以外を用いる意識が今後のトレンドになって行くべきだと思うし、設計者の仕事も従来のメーカーによるシステムのチョイスからこうした調整力の工夫や今まで見過ごしていた未開拓のエネルギー利用に向うべきだろう。
 
今日はJAZZTRONICで行きましょう!