2018年3月31日土曜日

南幌まちなかの家 断熱工事

雪が融けるとともに、強い風の吹く南幌の春が来ました。現場では屋根のシート防水が完了し、特徴的なバタフライ屋根がはっきりと分るようになりました。
 
こちらがシート防水の終った屋根。雪止めを等間隔に入れて雪が滑り全て谷部に集中しないように考えてあります。シート防水は優れた屋根ですが表面は滑りやすいので勾配を用いる場合は適宜雪止めを設置します。谷部に集まった雨水は水平部の軒先から樋で受けて地盤面へ、都市の下水インフラに負担を掛けずに自分の屋根の雨水は敷地内で浸透処理します。従来のM型スノーレーンのように屋根を破って縦樋を床下まで落とすことはしません。極力トラブルを抑え、正常進化させたM型屋根を目指します。
 
余談ですが、現在、一般的に広く普及しているM型スノーレーンは1961年に札幌在住の建築設計士である前田敏男により考案されたのが最初とのことです。当時からいかに雪を落とさず屋根に留めるか、に苦心した様子が感じられます。

大判のタイベックを屋根に隙間なく貼り、その上から通気層を兼用する垂木を置いている様子。お隣の山之内さんのブロック造外断熱の住宅の屋根です。屋根のタイベックはそのまま壁と連続しますから、たとえ屋根の通気層に雨水が侵入したとしても屋根のタイベック表面を流れ壁を伝い腰水切りから地面に排水される仕掛けです。このようにタイベックで一端、防水&透湿を完結させた上に通気層+仕上げ(屋根なら防水)を順序よく重ねて行く方法は北海道独自のものです。室内側から1:「構造レイヤー」、2:「断熱レイヤー」、3:「通気&仕上レイヤー」の順で考えます。たとえば持ち送り梁のようにタイベックを破って上部の垂木を支持するような構造は最近では珍しくなりました。

広幅の0.2mmの厚手ビニルで室内側を防湿します。

ビニルの重ね巾は本州で一般的な30mmではなく北海道では100mm以上。これにテープを用いて更に気密を上げてゆきます。
 
今日はWORLD ORDERなんていかが